すぎのこ保育の特色


“みんなの力ですばらしい保育園を”
という願いのもとに1967年に開園したすぎのこ保育園は、 その名前もみんなの投票で決められました。

《子どもの気持ちを育てる》

 すぎのこの保育とは
とたずねられてもはっきりと考えをまとめることがなかなかできない。これはまだ私達の保育に対する考え方がきちんと確立されておらず、
いろいろなことをやり、試行錯誤をくりかえしていることの反映だといえます。しかしそのなかでも大きな目標としては、意欲的な子どもに、
子どもが生活の主人公になれる保育園にという柱はもっているわけで、
別ないい方をすればこの目標にむかっていろいろなことを試みる自由がすぎのこにはあるということができるのかもしれません。

 すぎのこでは職員会議でも意見の別れる問題については性急に結論を下さないようにしています。
よく私たちは自分の考えに固執します。相手の意見をなかなか認めることができない「不自由」な存在でもあるわけです。
それだけに時間をかけてその問題についていろんな角度から考え、
学習を重ねるということが私たちの仕事への姿勢としてとても大切なことだと思うのです。

 大人と子どもの関係についても同じようなことがいえます。
大人は子どもに多くのことを期待する。しかし子どもはあやつり人形ではないから大人のいうことをきかない自由ももっています。
ここでは大人がそのメンツにこだわって権力者としてふるまってしまうのか、それとも同じ一人の人間として、
子どもの要求を尊重して受容してゆくのとでは子どもと大人の信頼関係を築くうえで大きな違いがでてきます。

 私たち大人はややもすれば自分の考えは正しいものとして子どもにそれを押しつけがちになります。
それがよい子ということになればよけいその傾向は強まります。たとえば○○保育というとき、
その良さだけが強調されて子どもの気持ちはどこにいってしまったのかということだけがたいへん気になります。私たちはそうすることよりも、
子どもたちが自分の気持ちで、裸や裸足になれ、
どろんこ遊びができるような力を保育の中で育てたい
と思うのです。

以上   中里幸矢(前園長)「すぎのこの保育」より抜粋           

 すぎのこのあゆみ編集委員会編集『すぎのこのあゆみ』1988